EOS R レビュー|2年半使用した感想! Rシステムの原点ながらまだまだ使えるカメラ
Canonがフルサイズミラーレスを展開して約4年。
先日EOS R6 Mark IIが発売されるなど、Canonのカメラは今「EOS Rシリーズ」を推しています。
今回は、その原点となるカメラ「EOS R」についてのレビューとなります!
EOS Rって4年前のカメラだけど、これからも使えるの?
と思われる方も多くいらっしゃると思います。
EOS Rを2年半使っている著者の考えですが、2023年になっても全然使えます!!
ただし、買うべき人は限られてくると考えています。
この記事を読めば、以下のことがわかります。
それではいきましょう!
基本性能
EOS Rの基本性能としては以下になります。
Canon初のフルサイズミラーレスとして4年前に発売されたモデルです。
翌年の3月にエントリー向けのフルサイズミラーレスとしてEOS RPが発売されましたね。
EOS Rをスタートとして、今ではR7やR3,R6MarkⅡといった新しいモデルが出てきています!
EOS Rのスゴいところ
綺麗な色映りと3000万画素
最新モデルに負けず劣らず、出てくる写真が本当に美しいです!
フルサイズならではの明るさとボケやすさ、そして色乗りが綺麗だなと感じています。風景を撮影していて木々の緑色や空の青色はしっかり写っているなと感じます。
色味や明るさを調整したい場合は現像ソフトを使用すると、より綺麗な写真に仕上がります!
露出補正を少しマイナスにして空を撮影すると青色がしっかりと乗ります!オススメの設定です!
また標準的な2000万台の画素数より多い3030万画素というのもポイントです。
撮影後のトリミングへの耐性があるため、好きな部分だけ切り取ることがとてもやりやすいです。また次の項目で説明するクロップ撮影も3000万画素を活かした撮影になります!
クロップを使っての撮影が結構便利
EOS Rシリーズにはクロップ撮影の機能が備わっています。
これはフルサイズセンサーの一部だけを切り取って使用することでレンズの焦点距離を1.6倍にして撮影できる機能です。この機能を使用すれば気軽に望遠効果を楽しむことができ、撮影の幅が広がります!
ただしクロップというのは撮影時にトリミングをするイメージなので画素数が落ちます。
EOS Rでトリミングした場合は、有効画素数がおよそ1160万画素に変化します。正直、1200万画素ほどに落ちても肉眼ではあまり違いは分かりません。
3030万画素という大きめの画素数だからこそクロップ撮影が有効になるんですね!
ちなみにiPhoneのカメラの画素数は1200万画素と言われいています。
シャッター幕が閉まることでセンサーにゴミが入りにくい
電源オフの際は上の画像のようにシャッター幕が閉じます。
通常はレンズを取り外すとセンサーが丸見えなのですが、このEOS Rからはアンチダストとして自動的にシャッターが閉まる仕組みを採用しているのです。これがめちゃくちゃ良い!
レンズ交換の際にゴミが入らないように細心の注意を払いながら取り替える必要も無くなりました。カメラをより長く使えるように仕様を設計したCanonさんには感謝です。
当然、大切な取り扱いとメンテナンスを心がけましょう!
バリアングル液晶が様々な撮影シーンにおいて便利
背面についている液晶ですが、水平方向・前後に回転可能なバリアングルを採用しています。バリアングルを活用すると、以下のシーンでとても役に立ちます。
固定式・チルト式の液晶よりも撮影の幅が広がること間違いなしです!
発売当時はフルサイズミラーレスのバリアングル液晶搭載カメラが少なかったこともあって注目されていました。
グリップがとても握りやすい
ミラーレスなので従来の一眼レフと比べて小型ではありますが、右手で握る際のグリップがちゃんとあるため握りやすいです!6Dや5Dと比較して浅めのグリップではあります。
グリップはカメラを持って構えた時の持ちやすさに直結し、特に重たいレンズを付ける際はグリップがないと撮影しづらくなります。そのため、小型を目指しながらもグリップが大きめについているのはとても助かります。
コスパ良い
そしてコストパフォーマンスが高い!
ボディ単体で新品20万円、中古15万円ほどです。
RF50mm F1.8 STM と合わせても+3万円ですから、中古で揃えても18万円でフルサイズミラーレスにデビューできます!
最近のフルサイズミラーレスのボディは30万円〜のモデルが多く、購入する際に結構勇気の要るお値段。
それらと比較すると、とても買いやすい金額です!
なおエントリーモデルのEOS RPはさらに5万円ほど安いので、中古で13万円ほどでボディ・レンズが買えてしまいます。安すぎる…
どのメーカーを見ても、ここまで安いフルサイズミラーレスはありません。
EOS Rのイマイチなところ
一方でEOS Rの欠点もいくつかあります。
Canon初のフルサイズミラーレスとして登場しましたが、当時はユーザーから改善して欲しい点がたくさん挙げられました。
次はそういった点についても見ていきましょう!
レスポンスが遅め(最新モデルと比較して)
写真を撮った後の「次!」というときに、若干の間が発生します。リズム良くサクサク撮影したい場合はストレスに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
またEOS Rの起動時間は0.9秒。EOS R6やR5は0.4秒なので倍くらいかかります。
「起動時間って重要なの?」と思われるかもしれませんが、EOS R6を実際に使ってみた際に電源入れてすぐ撮影に入れる体験をすると「EOS Rちょっと遅いな」と感じてしまいます。
ユーザー体験として非常に重要な点と感じています!
インターバル撮影の機能がない
一定間隔で自動的にシャッターを切ってくれるインターバル撮影機能がこのカメラには搭載されていません。
個人的に結構欲しかった機能で、EOS Rにないと知った時落ち込みました…
インターバル撮影は以下のようなシーンで活躍します。
私は特に星空撮影で流星群を撮るのが好きでした。その際に1〜2時間も自分で手動でシャッターを切り続けるのはとてもキツイ。流星群撮影ではインターバル撮影は必須です。
カメラに搭載されていない以上、インターバル撮影機能のあるリモコンシャッターを購入して使用するしかありませんでした。カメラ側で設定ができたら楽なのに、といつも思っていました。
ボディ内手振れ補正なし
EOS Rと近い時期に発売されたことから、よく比較されていた他メーカーのカメラが2台あります。
この2機種にあってEOS Rにないのが、ボディ内手振れ補正です。
手振れ補正機能があると、当然ながら手持ちでの撮影でブレる機会が減ってきます。それはすなわち、良い写真が撮れる可能性が高まるわけです。
特に手振れ補正がないレンズを使用する場合は、ボディ内手振れ補正が重宝されます。代表的なのはオールドレンズでしょうか。こういったレンズを使用する場合、EOS Rは不利だと言えます。
ただ筆者個人の感想としては、「手振れ補正がなくて困ったシーンはこれまでほぼなかった」と振り返ってみて思います。そこはシャッタースピードを上げるなり、ブレないように脇を締めるなりの工夫が必要かなと。
とはいえ写真にブレが発生する機会が減るのであれば、是非とも欲しい機能でしょう。
「手持ち〜秒でも撮影できます!」という動画を見ると、ボディ内手振れ補正欲しい!って毎度思います笑
マルチコントローラーがない
EOS Rにはマルチコントローラーがありません。これは親指で操作するボタンで、AFフレーム移動を割り当てるとAF位置の変更がとてもやりやすくなります。
しかしEOS Rにはこれの代わりに、マルチファンクションバーというものを採用しています。タッチしながらスライドすると割り当てた設定値を変更できる、というものです。
これが、ぶっちゃけ使うことがない。
ちょっと触れただけで反応するので、無意識に触って設定値が変わってしまうなんてこともあります。ユーザーからも不評だったようで、後継機からはマルチコントローラーに変わっています。
Canonさんの新しい機能に挑戦する姿勢は本当に素晴らしいのですが、個人的にはマルチコントローラーが欲しかったなと思っています。
RFレンズが高い・選択が難しい
RFマウントの純正レンズは値段が高いものが多いです。大三元レンズや単焦点のLレンズとなると気楽に購入しづらいお値段です。以下、新品での値段になります。
最先端の技術を詰め込んだレンズなので最高画質は保証されているものの、お値段は非常に高い…
また発売当初は上級者向けのレンズが先に発売されていたこともあり、「RFレンズは選ぶのが難しい」というイメージがあります。今でこそエントリーモデルの登場とともに安価なレンズのラインナップも出揃ってきました。
しかしサードパーティのレンズで有名なSIGMA・TAMRONがRFレンズを展開していないこともあり、レンズ選びではSONYに軍配が上がるでしょう。
EOS Rをオススメしたい人
ここまでのメリット・デメリットを踏まえて、
「じゃあどんな人はEOS Rを買うと良いの?」という話をしていきます。ズバリ、以下に当てはまる人です!
①は「EF-EOS R マウントアダプター」を購入すれば、これまで使用していたEFレンズをEOS Rでも使うことができます!高価なRFレンズにすぐ手を出せないけどRシステムを使ってみたい人にはオススメです。
またコスパを追求したフルサイズミラーレスなら圧倒的安さのEOS RPがオススメですが、「エントリー機で妥協したくない!」という方は、②の通りEOS Rをオススメします。
③はEOS R6やR5を持っている方に向けて、コストを抑えて二台目を導入したい方にオススメします。特に標準画素数のR6を持っている方は画素数を補う意味でEOS Rを選択に入れやすいかと思います。
①と②の方は上位機種への乗り換えも見越して検討してみると良いです!
EOS Rにオススメのレンズ
次に「EOS Rに興味がある!」という方へ、合わせてオススメしたいレンズをご紹介します!
RF24-105mm F4 L IS USM
店頭価格は16万円ほど。ズームレンズの中で「とりあえずこれを買っておけ!」という1本です。
広角〜中望遠までを幅広くカバーしており多くの撮影シーンに対応可能。写りもLレンズなので申し分ないレンズです。重さ700g、350ml缶と同じくらいの大きさでありEOS Rに装着してちょうど良いサイズ感です。
同じズームレンジで、「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」というレンズがありますが、筆者はF4通しのこちらをオススメします。ただ価格が2倍以上高いので、金銭的に余裕の無い方はF4-7.1でもOKです!
RF50mm STM
店頭価格は3万円ほど。こちらも「とりあえず買っておけ!」という1本になります。
いわゆるCanonの撒き餌レンズと呼ばれるもので、かなり安いながらも高品質な単焦点レンズです!開放F1.8で大きくぼかしたり玉ボケを作ったりと、単焦点レンズならではの面白い写真が撮れます。
初めてカメラを買う人は、50mm F1.8のような価格が低くてF値が小さい単焦点レンズを買うことを強くオススメします!スマホでは撮るのが難しい写真が撮りやすいレンズです!
EFレンズをお持ちの方はマウントアダプターで!
「EOS Rがオススメな人」でもお話しした通り、マウントアダプターを使えばCanon一眼レフのEFレンズが使用できます(EF-Sレンズも使用可能)。
RFレンズに欲しいレンズがない、値段が高すぎるという方はEFレンズで検討するのも大いにアリです!ただしマウントアダプターがある分、大きさと重さが若干増える点には注意しましょう。
私が2年半EOS Rを使い続けてきた理由
発売して4年も経っているEOS Rですが、私は2年半使用してきました。
買った当初はEOS R6などの後継機が出てきていましたが、私は本機をチョイスして正解だったな、と今でも感じています。それはなぜか?
一言で言えば、自分の撮影スタイルにピッタリだったからです。
手が届く価格帯でありながら、フルサイズミラーレスとして十分な描写性能を持ち画素数も3000万画素と標準より少し多めでクロップ撮影がしやすい。動く人や乗り物などはあまり撮らなかったため、連写性能も8コマ/秒で満足していました。
またカメラを握った時のグリップ感が私にとってちょうど良い!男性としては小さめな手ですが、すぐに馴染み使いやすさを実感しました。
EOS Rの前に一眼レフのEOS 6D MarkⅡという一回り大きいカメラを使用していたため、握りやすさに感動したのを覚えています!
カメラとしては型落ちのモデルであり欠点も多いに違いありませんが、自分の撮影スタイルにピッタリだと感じたカメラだったため使い続けています。そんなカメラと出会えて写真を撮り続けられることこそ幸せですね!
まとめ:EOS Rはまだまだ使えるカメラ!
今回はCanon初のフルサイズミラーレス機「EOS R」について紹介してきました。
初代のため改善点が多かったり後継機も続々と発表されて使う人が減ってきたEOS Rですが、価格に対する描写性能はピカイチです!2023年でも活躍できるカメラだと考えています!
ただし最新機種の方がデメリットが少ないなど万人に対してオススメできるカメラではないので、本記事を参考に十分検討した上で購入しましょう!
今回は、以上!!